Pride of Me 私たちが創る未来
復興に尽力した企業を軸に
平和都市の誇らしさを
再認識できる常設展
松藤 研介
委員長(2025〜)
代表メッセージ 
広島商工会議所会頭
2025年12月より、本展覧会の実行委員長を務める広島商工会議所会頭が、前任の池田晃治氏から松藤研介氏に交代するにあたり、「Pride of Hiroshima常設展」への新たな思いを語っていただきました。
INTERVIEW
― 「Pride of Hiroshima常設展」が開始してから2年が経ちますが、実行委員長ご就任にあたってどのように感じておられますか?

Pride of Hiroshima常設展は、2023年5月のG7広島サミットに合わせて3週間の期間限定で開催したPride of Hiroshima展(国内外から延べ17,000人が来場)の終了後、各方面から常設化への期待の声をいただいたことから、場所を新たに、企画内容を再編し、2024年4月より開催しているものです。

1945年8月15日に第二次世界大戦が終結しましたが、広島は原子爆弾の投下により広範囲にわたって壊滅的な被害を受けました。廃墟となったここ広島で、焼け野原からめざましい復興を遂げる一助を果たした、地元企業の歩みや豊かな未来の実現に向けた取り組みを紹介するこの常設展の果たす役割は大きく、実行委員長就任にあたり、身の引き締まる思いです。
― 広島復興の歴史そのものを伝える場であると同時に、地域産業や精神性の源流を学べる場所でもあります

この常設展を通して、戦禍からの復興に尽力した地元企業のことを知ってもらうとともに、先人たちが築きあげた平和都市・広島の魅力・誇らしさを再認識していただき、特に、若いひとたちには、この常設展が広島に住み・働きたいと思っていただけるきっかけとなることを期待しています。
― この常設展には、広島に暮らす人々や国内外の来場者に向けて、どのようなメッセージや価値が込められていると考えますか?

Pride of Hiroshima常設展は、時代ごとにエリアを区分けし、地元企業の貴重な資料を編集した映像展示を中心に、現在の広島を形づくってきた地元企業の歩みと未来を、臨場感あふれる演出で体感できる施設となっています。

― “見る展示”というより、“体感する展示”なんですね

この常設展では、復興への道のりが困難を極める中、失敗を恐れず日々チャレンジしてきた先人たちの軌跡を、現物展示なども通して、垣間見ることができるよう工夫されており、広島で暮らす方にとっても、広島の魅力や誇りを再認識いただける、見応えある構成となっています。

― 広島の人にとっても、新たな発見がありそうです

かつて70年間は草木も生えないと言われた広島は、驚異的な復興を成し遂げました。被爆の3日後には路面電車が運行し、4か月後には三輪トラックの生産が再開するなど、その後も多くの企業が事業基盤を立て直し、廃墟からの復興に尽力してきました。

世界に誇る平和都市・広島を築きあげてきた地元企業の思いや今日までの歩み、そして広島の豊かな未来の実現に向けた取り組みを紹介するこの常設展は、世界各地で今まさに困難な状況にある方々に対しても、勇気づけることができると信じています。

― 広島商工会議所としても、さまざまな形で情報発信に取り組まれているそうですね

私が会頭職を務める広島商工会議所でも、昨年、戦後80年の節目を迎え、先人たちの誇りである「Pride of Hiroshima」を次の世代につなげていくため、会報誌で特集を組むこととし、毎月、常設展参画企業の復興への歩みや、平和への思いなどを発信しています。
― “展示を見る”だけでなく、日常的に広島の物語へ触れる機会を増やされているのですね

広島商工会議所が体験型の修学旅行の誘致に取り組む際には、平和学習の一環として、常設展への来場を促すなど、常設展の情報発信に努めています。加えて、地元企業の皆さんには、新入社員教育などの一環として、常設展を活用いただくなど、地元企業の魅力を訴求し、平和の大切さを改めて実感していただく場としても機能しています。

常設展の会場は、「平和記念公園」や「広島平和記念資料館」、「原爆ドーム」と近接しているので、「原爆ドーム」の見学などの流れで、常設展にもぜひ足を運んでいただきたいと思います。

― 現在の広島の若いひとたちに対して、期待していることや伝えたいメッセージをお聞かせください

広島には優れた技術力やビジネス革新などにより、世界をリードする“ものづくり企業”が多数立地しています。しかしながら、熾烈なグローバル競争に各社がさらされる中、付加価値を高めていくには限界があり、新しい産業の創出が不可欠となっています。

戦後、日本は多くの起業家の出現により飛躍を遂げてきました。こうしたことから、新たな社会的価値を創造・提供していくことで、活力に満ちた経済社会を実現し、新しい産業や雇用の創出に寄与する、若者によるチャレンジ精神あふれる起業を期待しています。
― これからの広島には、“次の時代を切り拓く挑戦”が求められているのですね

特に、独創的・先進的な技術やサービス、ビジネスモデルなどにより、イノベーションの担い手として新たな市場を切り開き、社会課題解決や経済成長を加速させる原動力となるベンチャー企業やスタートアップの起業を望みます。
― 一方で、広島には“平和都市”としての歴史や価値観もあります。そうした土壌と、新しい挑戦はどのようにつながっていくのでしょうか

原爆投下により焼け野原となった広島で、地元企業は、決してくじけないという強い意志、負けてなるものかという気概、こうした誇り、「Pride of Hiroshima」をもって、事業に取り組み、広島の復興に力を注いできました。

広島復興の歩みは、先人たちの変革への気概と果敢な挑戦の歴史であり、広島経済の歴史そのものです。今の繁栄はこうした先人たちの「Pride of Hiroshima」の上に成り立っています。

― 今年、広島商工会議所では「Stay @広島」というキャッチフレーズを掲げられています。この言葉には、どのような思いが込められているのでしょうか

この言葉には、訪れる人も暮らす人も、もっと“広島で過ごしたくなる”ように、そして“広島にとどまる”ことで生まれる、笑顔の連鎖を拡げたいという願いを込めています。

人口流出が課題とされる今、観光のみならず日々の暮らしそのものが魅力となる、安心・安全で明るいまちづくりが必要です。

歴史や文化、自然が織りなす広島の魅力を改めて見つめ直し、訪れる人が滞在したくなる温かさ、住む人が誇りを持てる心地よさを育てることこそ、地域経済の活性化・発展へとつながる原点であり、広島はもっと輝けるはずです。
― “滞在する”という言葉の中に、“愛着を持つ”という意味も感じます。その想いは、「Pride of Hiroshima」とも深くつながっていますね

私たちが発信し、育て、拡げていく。そんな前向きなエネルギーを「Stay@広島」に託し、人とまちが寄り添い合う未来への歩みを、進めていきたいと考えています。

― 最後に、これからの広島を担う若い世代へ、改めてメッセージをお願いします

若い人たちには、常設展にぜひ足を運んでいただき、こうした先人たちの「Pride」に思いを馳せていただきながら、自身の「Pride」は何なのか、しっかりと考えてもらいたいと思います。そして、次なる「Pride of Hiroshima」の担い手として、失敗を恐れずチャレンジし続けながら、広島を盛り上げていっていただきたいと思います。
― “自分は何を受け継ぎ、何を未来へつないでいくのか”。そんな問いにもつながりそうですね。お話しありがとうございました
復興に尽力した企業に残る80年前からの資料を基に、広島在住のクリエイターの視点を介し復興を感じ取る場「Pride of Hiroshima」の展示を現地でご覧ください。
Divide the footprints of the era related to reconstruction into six categories Please take a look at the "Pride of Hiroshima" exhibition, a place where you can get a sense of the recovery through the perspective of creators living in Hiroshima, based on documents from 80 years ago that remain at companies that worked hard for the recovery.