祖母は被爆者で、私は被爆三世です。幼い頃より原爆の話を身近に聞いて育ち、また自身もクリエイターとして広島で活動する中で被爆体験を題材にした作品に多く関わってきましたが、実際に自分が体験したわけではないので実感の確信が自分にはありませんでした。しかし2018年、当時坂町に住んでいた私は西日本豪雨の被災者となりました。そこで被災地が大勢の人の知恵と力によって復興していく様子を目の当たりにし、事柄は違えど復興に対する力強さを感じました。今回の展示では、会場全体の音楽を担当しています。それぞれの部屋に配置した音が全て合わさってひとつの音楽になる様子を、広島の過去と今が交わり未来へ繋がっていくハーモニーとして感じていただけたらと思います。